マレーシア日経ビジネスフォーラム2017

SPEAKERS

SPEAKERS

ナジブ・ラザク

ナジブ・ラザク

マレーシア首相

第2代マレーシア首相であるアブドゥル・ラザク(Tun Abdul Razak Hussein)の長男、第3代マレーシア首相であるフセイン・オン(Tun Hussein Onn)の甥として、政治家一家に生まれる。 当初ビジネスマンとしてのキャリアを歩んでいたが、父親の死に伴い政界入り。政界への転身後、22歳でマレーシア史上最も若い下院議員となる。亡き父の助けなしに、25歳でエネルギー・通信・郵政副大臣、29歳でパハン州首席大臣、そして33歳では青年スポーツ相を歴任。 教育、防衛、財務大臣など主要大臣職を歴任し、2009年4月、55歳で首相に就いた。

首相就任後、マレーシア独立以来最大規模の政治・経済改革を実行。
改革の内容として以下が挙げられる。

  • 裁判を介さない無期限の拘留を認めていた植民地時代の国家安全保障法を廃止。
  • 60年間にわたるマレーシアの非常事態宣言の解除
  • 新聞発行の許認可制廃止など、メディアの自由度を高める措置を導入
  • 様々な選挙改革の実施
  • 経済を多様化し、政府の石油・ガス依存度を軽減。首相就任時である2009年の歳入の41%から、2016年には14%まで削減した。

首相はまた、人種や宗教に関わらず国民の結束の重要性を強調する“ワンマレーシア”のスローガンを打ち出した。

首相の政府改革プログラムは、教育の改善、医療機会の拡大、農村のインフラ開発、公共交通機関の拡充、貧困削減や犯罪率低下などを実現し、政府サービスのあり方を根本的に変えた。同時に経済改革プログラムでは経済を大幅に自由化し180万人以上の雇用を創出し、生活水準を向上。最低賃金の設定で絶対的貧困を撲滅するとともに海外からの投資を奨励した。その結果、海外投資の受け入れは2009年の就任時から2015年まで毎年22%以上の伸びを記録し、マレーシアにアジアで最もダイナミックで成功した経済をもたらした。首相が掲げる新経済モデルはマレーシアを2020年までに高所得国へと移行させることを目標としている。

就任以来、首相はマレーシアの外交政策の新時代を牽引し、ポピュリストの対立戦術に終止符を打つとともに「開かれた地域主義」を打ち出している。ASEANの強力な支持者として、大国、新興国、途上国間の協力関係の促進に注力してきた。特に他国の指導者との間で培った信頼関係は貿易、外国投資、雇用の大幅な増加をマレーシア人にもたらすとともに、地域の平和と安定に貢献している。