カート・M・キャンベル(国際関係学博士)は、アジア・グループの会⻑兼共同創設者です。同氏はアジア・グループ復帰前の2025年1月まで米国務省の第 22 代副⻑官として、アメリカの外交的地位の強化、国務省の近代化に努め、世界的な課題の対応に貢献しました。国務省就任前の2021年から2024年には、ホワイトハウス大統領副補佐官として初代インド太平洋調整官として活躍しました。
キャンベルは地政学とビジネスの接点で活躍しながら、インド太平洋地域におけるアメリカの利益を推進してきました。起業家としても知られ、複数のビジネスを立ち上げ、ワシントンD.C.の有力な安全保障専門のシンクタンクを設立・主導し、国際的イニシアチブを牽引してきました。また企業経営者に対しは、アジアおよび世界での地政学および経済動向に関連する機会にどう対応し、活用するかについて助言を行なっています。これまでの40年近いキャリアは、⺠間セクター、学界、軍事、ジャーナリズム、政府と多岐にわたっています。
バイデン政権では、主要なインド太平洋政策アドバイザーとして地域における外交政策戦略を推進しました。同盟関係やパートナーシップの強化、米企業のビジネス機会を外交政策と結びつけるための経済的国家戦略の策定、米中関係の運営、そして米印関係の戦略的基盤の構築などに携わりました。また、オーストラリア、英国、アメリカの三国間安全保障パートナーシップ(AUKUS)の推進にも貢献し、防衛協力、供給網、最先端技術パートナーシップの強化に当たりました。日米韓の三国間協力の枠組み構築にも携わりました。
バイデン政権就任以前はアジア・グループの会⻑兼共同創設者として活躍。また2009年から2013年には、米国務省の東アジア・太平洋担当次官補を務め、「Pivot to Asia(アジア回帰)」の主な立案者としても知られています。米海軍予備役の将校としてキャリアをスタートし、水上艦、統合参謀本部、そして海軍作戦部⻑戦略諮問ユニットに勤務しました。また、ハーバード大学ジョン・F・ケネディ行政大学院で公共政策および国際関係の准教授も務めました。
キャンベルはアメリカの外交で最も権威ある米国務⻑官特別功績賞を授与されています。2014年にはオーストラリアおよびニュージーランドとの関係強化への尽力を評価され、エリザベス女王よりオーストラリア名誉勲章およびニュージーランド名誉功労勲章を授与されました。他のアジアやヨーロッパの主要な同盟国からも最高の国家的栄誉を享受しています。
カリフォルニア大学サンディエゴ校で学士号、ソビエトアルメニアのエレバン大学で音楽と政治哲学の修了証書を取得。オックスフォード大学のブラズノス・カレッジではマーシャル奨学金を受け国際関係学の博士号を取得しています。また、最近では『The Pivot: The Future of American Statecraft in Asia』など10冊の書籍を著述・編集し、国際関係に関する深い知見を提供しています。妻であるラエル・ブレイナード博士と3人の娘と共にワシントンD.C.に在住。バージニア州ラパハノック郡にある南北戦争時代の歴史的な農場「アイアン・ベル・ファーム」を所有しています。