宇宙飛翔体に関する高速空気力学や輸送システムなどの研究を行い、日本の宇宙科学プロジェクト研究に参画、1990年代から2010年代の日本のロケットや衛星・探査機などをはじめとする、宇宙科学研究所の理工学ミッションや飛翔体研究の発展に貢献した。また次の時代のロケットや宇宙への輸送手段のあるべき姿を考え、地上と宇宙空間の往復飛行をより一般化し、航空機的な運行の形態を宇宙輸送においても実現し、輸送コストを大幅に低減するためのシステムの研究や、高頻度に繰り返して飛行できる再使用型輸送システムの研究などをおこない、ロケット実験機の飛翔実験や離着陸実験などを主導、これらの活動を通じて宇宙輸送の革新に向けた発信を行なってきた。また宇宙輸送研究で得た宇宙空間との往復飛行の研究成果を生かして、小惑星からの帰還ミッションであるはやぶさカプセルの開発を主導し、世界で初の地球への帰還と再突入飛行およびサンプルの回収を成功させた。この間大学院教育などを通じて人材の育成にも貢献してきた。これらの幅広い宇宙飛翔体に関わる知見や経験に基づいて、将来の宇宙活動の拡大や人類の宇宙進出の未来に向けて、一般大衆の宇宙旅行や太陽発電衛星の実現などといった宇宙利用の将来像についても議論し、民間主導による宇宙旅客輸送の実現に向けた活動を行なっている。また月における人類の持続的滞在や人類社会の構築などといった、人類の宇宙活動の将来像について議論するための勉強会を主催し、積極的な発信を行なっている。